ららマジ第二幕、元ネタ解説

f:id:citrus_pepper13:20180524191614j:plain

元ネタ解説編、第二幕『アマデウス』。

作中で触れていることが多く、あまり解説がいらないかもしれません。

注意:ららマジ第二幕『アマデウス』までのネタバレを含みます。

アマデウスには5つの意味がある

5つも意味があったかな?と、疑問を持たれた方もいるかもしれませんね。

さっそく見てみましょう。

  1. 第二幕のタイトル
  2. 第二幕のディスコードの名前
  3. ラテン語で「神に愛される」(天才)という意味
  4. モーツァルトのミドルネーム
  5. 戯曲のタイトル(それを映画化したものを含む)

これで5つです!

 

1と2については第二幕そのもの。

3と4に関しても、作中で触れています。

本当に、解説することがあまり無いですね。

 

5は、ピーター・シェーファーによって作られたモーツァルトサリエリの人生の史実を大きく脚色した作品です。

それだけ知っておいてもらえれば、このあとの解説も大丈夫。

まず、モーツァルトから始めましょう。

 

 

モーツァルトと変態チューナー!!

これほど、世界的に有名な人もなかなかいないでしょう。

 

誰もが知るオーストリアの音楽家

古代派音楽の代表的存在。

それがモーツァルトです。

 

ですが、意外と下品な話が好きだったようで……

有名なところで言えば、『俺の尻をなめろ』という作品があったりします。

ドイツ語を直訳したら「俺の尻をなめろ」ですが、意訳すれば「糞食らえ」だったりします。

 

妻のコンスタンツェにも、卑猥な内容の手紙を送っていたそうです。

そういう人柄が戯曲の『アマデウス』でも描かれていました。

 

モーツァルトがコンスタンツェと下品な話をしていたところを、サリエリが目撃するのです。

(ちなみにサリエリが初めてモーツァルトに会ったのが、このとき)

サリエリモーツァルトのことを「あんな良い曲を作っていたのに。なんてヤツだ!」って思うのも無理はありません。

曲にあるような、優雅さや魅力は無かったのですから。

 

ところで第二幕で、紗彩ちゃんに……

f:id:citrus_pepper13:20180611021316j:plain

変態チューナー呼ばわりされていました。

それから、菜々美といちゃいちゃしているとか、ハーレム計画を立てているとか。

いろいろ言われていましたが、これらはモーツァルトの人柄が元ネタだったのではないかと思います。

 

 

古典派音楽バロック音楽の矛盾

第二幕の第2場1から

f:id:citrus_pepper13:20180611032044j:plain

バロック音楽時代のヨーロッパの街並がモチーフであるとホニャちゃんは言っていました。

 

先ほどモーツァルト古代派音楽の代表的存在と言ったばかりです。

バロック音楽と古代派音楽、どちらもクラシック音楽の時代のことですが、

時代が違うのは、なぜでしょうか?

 

バロック音楽とは、1600年代初頭から1700年代半ばまでです。

この時代の有名な人といえば、バッハさんですね。

 

一方、古典派は1730年代から1810年代までの短い時代でした。

バロック音楽の次に古典派の時代だったことになりますね。

 

つまり古典派の時代が短かったため、街並はバロック時代とあまり変わらなかった

そのためホニャちゃんは街並からバロック時代と推測したのだと思われます。

これで矛盾に説明が付きました。

 

 

ヨーロッパの街並とポスター

第2場でヨーロッパの街並を進んでいくと、

通行人がパンフレットを持っていたり、背景にポスターが貼ってあったりしましたね。

今度は、このポスターをよく見てみましょう。

夢世界が変質する前の紗彩バージョンです。

f:id:citrus_pepper13:20180601113001j:plain

次に変質後の菜々美バージョン。

f:id:citrus_pepper13:20180601113015j:plain

このポスターに書かれている文字を抜き出して見ましょう。

Solo Concert

Amadeus

SAAYA KUJYO VIOLIN CONCERT

(紗彩バージョン)

YUUKI NANAMI FLUTE CONCERT

(菜々美バージョン)

201?年 ?月21日

????第一ホール

このポスターの日付、?月21日は紗彩の誕生日(8月21日)であると思っています。

 

他にも考えましたが、どれも21日と無縁でした。

  1. 調律を行なった日
  2. 紗彩ちゃんがコンクールに参加した日
  3. 初めて菜々美と出会った日あるいは再会した日

以上、第2場のポスターに書かれた文字について解説しました。

次は第3場のネタです。

 

 

第3場の背景の元ネタ、ガルニエ宮

第3場の背景といえば、これです。

f:id:citrus_pepper13:20180527231433j:plain

ソロコンサートのポスターにも舞台と同じデザインが書かれていましたね。

 

それでは、行ってみましょう。

背景の元ネタ! フランス、パリにあるガルニエ宮です!

f:id:citrus_pepper13:20180527225751j:plain
(写真はWikipediaより引用)*1

舞台の装飾が同じデザインですね。

ちなみに奥のカーテンっぽく見えるのは書き割りです。

実物にしか見えない。

 

ちなみにガルニエ宮、外から見ると正面に7つの胸像があります。

実は、その真ん中の胸像がモーツァルトです。

 

 

ところで、アマデウス(ディスコード)の外見ですが……

f:id:citrus_pepper13:20180527233014j:plain

外見をパーツごとに見ると、中央の建物、周りに浮いている、それから後ろにある赤い布に分けられます。

色合い的に、中央の建物の屋根部分は、ガルニエ宮の銅の屋根がモチーフ。

円柱の柱はガルニエ宮正面の柱、布は舞台に使われている赤いカーテンっぽい気がします。

四角い柱は分かりません。

 

他にも、モーツァルトの生家や映画「アマデウス」で使われたロケ地など、比較しましたが、これが一番しっくり来ます。

※あくまで個人の考えです。

 

話をガルニエ宮に戻して……

ガルニエ宮が完成したのは、1875年とバロック時代とは異なります。

ですが、ご安心ください。

外装・内装ともにバロック様式となっております。(ぇ

 

これが遠くに見えたのかは分かりませんが、ホニャちゃんがバロック時代と推測してもしょうがないですね。

次に取り上げるのは、そのホニャちゃんの発言です。

 

 

お疲れちゃーん

先ほどと同じく、第3場。

その2におけるホニャの発言から

f:id:citrus_pepper13:20180524233131j:plain

チューナー、菜々美、

お疲れちゃーんニャ!

第一幕には無かったコメディ系のネタです。

これはお笑いトリオ、インスタントジョンソンの代表的なネタ

 

正確に言えば、そのメンバー、ゆうぞうさんの持ちネタです。

ちなみに、奥さんはヴァイオリニストの楢村海香さんだそうで、

もしかしたらヴァイオリン繋がりで、ネタを入れたのかもしれませんね。

 

次もホニャちゃんの発言から!

 

 

何度でも蘇るさ

f:id:citrus_pepper13:20180524232915j:plain
f:id:citrus_pepper13:20180524232934j:plain

「この世にノイズという害悪がある限り、私は何度でも蘇るニャー!」

「それ悪役さんのセリフじゃない?」

ついに菜々美にまで突っ込まれています。

(第1場4なので、時系列的にはこちらが先)

 

ラピュタは滅びんよ、何度でも蘇るさ。」でおなじみですね。

映画『天空の城ラピュタ』に出てくる悪役、ムスカ大佐が元ネタです。

 

さて、モーツァルトからムスカ大佐まで、だいぶ脱線しました。

一度、『アマデウス』に戻りましょう。

 

 

紗彩ちゃん、自分を『アマデウス』のサリエリに例える

1周して戻ってきました、『アマデウス』です。

まだ重要な人物を紹介していませんでした。

 

アントニオ・サリエリ、『アマデウス』の主人公です。

アマデウスの主人公はモーツァルトではありません。サリエリです。

 

 

一度、『アマデウス』の中身をざっくりと振り返ってみましょう。

 

サリエリモーツァルトの曲を聴いて、素晴らしいと評価します。

当然ながら周りの評価も高い。

 

しかし、モーツァルトは品が無く、サリエリが「イメージしていたのと違う」と落胆してしまう。

そのあと、「なんであんなヤツに」って才能を持つモーツァルトに嫉妬するんです。

 

サリエリは、モーツァルトに対して友人のように接するけど、裏では評価が落ちるように妨害していました。

モーツァルトの才能を近くで見るあいだに、サリエリはその才能に、どんどん嫉妬していきます。

そしてサリエリモーツァルトを毒殺するのです。

 

第二幕では紗彩ちゃんは、自分自身をサリエリに、そして菜々美をアマデウスに例えていました

このままでは、自分がサリエリになってしまうと。

才能を持つものに嫉妬し狂う、サリエリに……です。

 

 

神を殺すもの、サリエリ

サリエリの解説がまだでした。

サリエリはイタリア生まれの作曲家。

ベートーヴェンシューベルト、リスト、チェルニーなどを育てた名教育家です。

 

 

それから、サリエリは熱心なカトリックです。

アマデウス』において……

サリエリは、粗暴なふるまいをするモーツァルトに対して許せませんでした。

神が才能を与えたことが許せず、サリエリは神を拒み、モーツァルトを怨むようになります。

f:id:citrus_pepper13:20180524232339p:plain
画像は映画『アマデウス』より、サリエリが十字架を火にくべるシーン。

 

たぶん、これがディスコード戦の演出の由来となったんでしょう。

f:id:citrus_pepper13:20180524232309j:plain

この紗彩ちゃん、キリストの磔刑のように見えます。

自身の罪悪感を、夢世界で表現したのでしょう。

つまり、紗彩ちゃんが吊るされているのは、サリエリカトリックだったことが元ネタだと思われます。

 

アマデウス』は2人の人生を脚色して描いていた作品です。

ここまで来ると、実際のサリエリモーツァルトがどうだったのか気になりますね。

 

 

実際の二人の関係は?

実際の2人の関係ですが、

2人の間にライバル意識があったのかもしれません。

(むしろ、敵視していたのはモーツァルトの方で、サリエリに妨害されたとでっちあげた説もあります)

 

しかし、サリエリモーツァルトの才能を認めていたそうです。

モーツァルトの作品を自ら指揮したり、オペラを観劇しては、それを絶賛したそう。

 

また、サリエリは後輩の育成にも熱心で、モーツァルトの弟子だけでなく、息子であるクサヴァーにも教えていました。

教育も無償で行って、歌唱学校の設立に寄与したそうです。

のちに歌唱学校に器楽科を増設しています。

そして、これがウィーン国立音楽院となりました。

 

話が少し脱線しましたが……

このように2人の関係性は良好で、実際のサリエリは優しい人物だったと思われます。

作中にもあるようにモーツァルトの遺作、レクイエムの初演を担当したのもサリエリです。

f:id:citrus_pepper13:20180527231639j:plain

重要なことを忘れていました。

確かに、サリエリモーツァルトを毒殺したというのは噂です。

 

しかも、その噂が原因で、サリエリが重度の抑うつ病になっています。

亡くなるまで悩まされ続けたそうです。

 

サリエリといえば、

まだ、紗彩ちゃんの持つサリエリの伝記がありました。

次はそれに触れましょう。

 

 

サリエリの伝記は存在するのか?

f:id:citrus_pepper13:20180524232647j:plain

サリエリの伝記。

 

オープニングにもちょっと出てきますね。

このシーンの左側です。

f:id:citrus_pepper13:20180524232711j:plain

実際に存在するものでは、以下の二つが有名です。

  1. 『アントニオ・サリエリの生涯と作品について』(イグナーツ・フォン・モーゼル著)
  2. 『サリエーリ―モーツァルトに消された宮廷楽長』(水谷彰良著)

1番はドイツ語であるため、作中で使われているのは2番と思われます。

しかし、本の大きさや厚さから、実際には存在しない可能性が高いかなと。

 

ところで、紗彩ちゃんの持つサリエリの伝記。

だいぶ読み古されていました。

夢世界のヨーロッパの街並がしっかり表現されていたことを、裏付けているように思えますね。

 

 

次回、第三幕『どうにもとまらない』に続きます。