あの、素晴らしい  をもう一度 ストーリー考察

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『あのすば』をクリアしていない方へのご挨拶

この記事には『あの、素晴らしい  をもう一度』のネタバレを含みます。

未クリアの方は読まないようにしてください。

 

また、攻略情報は一切ありません。

ANOSシリーズは自力で考えてクリアしてこそ意義のある作品です。

攻略チャートを見て読み進めるだけならば、ゲーム性は失われます。

 

そして何より……そんな事したって面白くないですよね?

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あの、素晴らしい考察をもう一度

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・注意事項

記事が長いため、時間に余裕がない方はf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainマークの付いていない赤文字を追ってください。

記事の内容がだいたい把握できるようになっています。

反対に、細かいところまで興味のある方はパネルをタップして開いてください。

パネル内に解説があります。

 

 

f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainANOSとはANgel Omnipotent Stone。

直訳すると『天使の全能の石』。

本作に登場した堕天使リビリュートの額にある水晶ですね。

 

Advanced Novel Operation Systemも略してANOS。

『あのすば』を一作目としたANOSシリーズを指すこともあります。

強いて言えばタイトルにも、「ANO、Subarashii……」のように、ANOSが含まれています。

 

それでは、ストーリーに残された謎を解明していきましょう。

 

 

勇者候補の怨恨

全ての発端は半年前。

天界にいたリビリュートが地上を突き破って異界に落ち、瘴気により魔物になりました。

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この堕天使リビリュートが地上に這い出たことにより、世界は危機に陥ります。

 

リビリュートは時と世界の構成を司る天使です。

その能力を使えば、f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain世界が気付いた時には無くなっていることでしょう。

 

世界を救う者は、天界に住む天使によって選ばれました。

堕天使を倒すための勇者候補はライとフスルトの二名。

その中で勇者に選ばれたのはライです。

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かたや選ばれなかったフスルトf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain問題を抱えていました。

周囲の期待を裏切ることになり、迫害を受けていたのです。

 

勇者候補だったフスルトは、自分が選ばれずにライが選ばれたのを根に持っています。

ライ「どうした? 選ばれなかった事、まだ根に持っているのか?」

スルト「そうじゃない。そんな事じゃない」

……嘘だな。

おれは心のどこかにある冷静な部分で即座に自分の言葉を否定していた。

この怨恨が重要です。

世界の改変やヴェルの足の怪我に関わってきます。

 

 

勇者ライの三角関係

世界を救うため勇者を中心としたパーティーが組まれました。

パーティーのメンバーは以下の5名。

  1. 勇者に選ばれたライ
  2. 天界の加護を授けられるミレイユ姫
  3. 強力な魔法を使えるリト
  4. 医療に長けているヴェル
  5. 膨大な知識を持つフスルト

この中のミレイユ姫は一国の王女です。

国王である父により、ミレイユ姫と勇者ライの婚約が決まっていました。

この決定は政治的な背景によるものでしたが、実際の当人たちの気持ちがミレイユ姫の発言に表れています。

ミレイユ姫「確かにあの話は父様達が決めた事かもしれない。

でも、それは決して二人の気持ちと無関係じゃなかった。

それをまさか、忘れてしまったとでも言うんじゃないでしょうね?」

ライとミレイユ姫自身も、父の決めた事を良しとしています。

 

しかし、ライはリトにも手を出していました。

スルト「まだ公になっていないとはいえ、私的にもあのお姫様と懇意になっている以上、リトにまで近付くのはまずいんじゃないのか?」

ライは二股をかけています。

 

その一方で、二人の関係をミレイユ姫は知りません。

以下は、リトとf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain看護婦さんが退室し、二人だけで話し合う場面です。

ミレイユ姫「……それから、もしかしてリトにはまだ何も言っていないの?」

記憶喪失の主人公「えっ?」

ミレイユ姫「分かっているとは思うけど、彼女の事、気を付けなさいよ」

ライがリトに婚約の事実を明かしておらず、リトが一方的にライに好意を寄せていると、ミレイユ姫は思っています。

そのため彼女に気を付けるよう言っていました。

リトにライを呼び捨てにさせず、「勇者ライ様」と呼ばせていたのも、彼女を牽制するためです。

リト「本当は、勇者ライ様って呼ばなければいけないのに、ライって呼び捨てにする度、怒られてたから」

主人公「おれにか?」

リト「ううん、別のひと。」

 

ミレイユ姫と言えば、このシーン。

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過去を知った主人公がミレイユ姫に謝りに行くところですね。

この「泥棒猫」は、リトにライを奪われたと判断しての発言です。

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しかしミレイユ姫と違って、リトは二人の婚約を知っていました。

リト「すごく、いいひとよ。ミレイユ姫は、王女であると同時に巫女なの」

~中略~

リト「結婚も決まっていたというのに、その前に命を賭してあたし達の力になってくれるんだから」

主人公「ふうん。その結婚相手も災難だな。一体そいつは誰なんだ?」

リト「………」

リトにとって、彼が婚約を憶えていないことは千載一遇のチャンスです。

記憶喪失の彼に婚約の相手を明かすことはないでしょうね。

 

そして、三角関係の外側にいるフスルトはリトに好意を持っています。

周囲から迫害を受けていた彼に対して、彼女が優しく接していたのも要因の一つですが……。

今まで人を斬り殺して生きていた盗賊の彼が、いつも血に塗れていた魔法使いの彼女に、「過去」を重ねていたことも大きく関係していると思います。

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怨恨の件もあるフスルトとしては、ライの二股は許せません。

当然のように「リトがライを諦めてくれれば……」と考えます。

(フスルトはリトに「ライの代わりでも良い」と伝えますが……)

リト「……ごめんなさい……やっぱり……考えたんだけど、それもいいかと思ったんだけど、やっぱりだめなの」

リト「その方があたしも楽になれると思ったんだけど、それじゃだめなの」

~中略~

リト「代わりでもいいなんて、あたしには耐えられない」

リトはライに一途だったため、フスルトを振りました。

しかもリトは、ライとミレイユ姫の婚約を知った上で、ライに近づこうとしていました。

ミレイユ姫からすれば「この……泥棒猫」案件です。

 

ここで、リトとライに関するある事実が浮かびます。

スルト「リトの事はいいのかって聞いているんだ」

ライ「なんでそれをお前が気にする必要がある……まさかお前……」

以前からこいつのこの表情が反吐が出るほど嫌いだった。

以前はなんとか耐えられたが、あの事実を知ってから耐えられなくなった。

スルト「そうじゃない。まだ公になっていないとはいえ、私的にもあのお姫様と懇意になっている以上、リトにまで近付くのはまずいんじゃないのか?」

ライとリトの間に「あの事実」と呼ばれる何かがあったことが伺えます。

 

「あの事実」に関しては具体的に示されていないため、想像で補うしかありませんが、

リトは笑顔を絶やさない。数日前あんな事があったにも関わらず、だ。(フスルト

と思われるくらい、余程のことだったそうです。

 

様々な手掛かりから、「あの事実」とは「リトに愛人関係を結ばせたこと」だったと考えられます。

スルトの印象も加えると、すでに性行為にまで及んでいたかもしれませんね。

 

 

もうやり直せない二人

ここからヴェルとフスルトに焦点を当てます。

ヴェル「全てを知るなんて事は無意味だと思い知らされて挫折したころの知識なのさ」

主人公「思い知らされた?」

ヴェル「ああ、そうさ。そいつは知識でオレより遥か上にいるはずなのに、それでもまだ世界の全てを知り尽くしていない事が分かってな。

~中略~

この知識、いわゆる天使や水晶に関する知識も、そいつから教えてもらった『おこぼれ』みたいなもんだ」

「そいつ」とは誰でしょうか?

「そいつ」は天使や水晶について詳しく知る人物です。

(フスルトがANOSに触れて)

『制御』の仕方はおれがこれまでに得た知識の通りだった。

ヴェルは水晶を使って願いを間接的に叶えられることを知っていました。

ですが、水晶の使い方までは知りません。

スルトが水晶を制御する方法を知っていたことから、ヴェルよりも知識が豊富だったと考えられますね。

よって、ヴェルの言う「そいつ」はf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainスルト・ハッツです。

補足:フスルトの知識

  • 歴史の本の一部を暗唱できる
  • 記憶喪失の物語を数多く知っている
  • リトに語った日蝕の話

スルトは知識欲が旺盛な一面があり、様々な知識を本から得ています。

コーヒー好きなところも、読書家であることを強調するためだったのかもしれません。

加えて、記憶喪失の物語を好んでいた事から、「もし人生をやり直せるならば、記憶を消したい」という憧れを抱いていたと思われます。

 

ちなみに、全てを内包する建物に一人で入る方法を知っていたのは、他に知られずに水晶の情報を得るためでした。

このような生来の気質を知ると、盗賊として生きているのが本意でなく、環境がそうさせていたのだと窺い知ることができます。

閉じる

 

以前のヴェルは、フスルトから水晶や天使のことを教えてもらうほど、関係が良好でした。

しかし今は、仲が良くありません。

ヴェル「いや、今となってはくだらん挫折話さ。

今そいつに話をしても、ろくな返事も返ってこないだろう。

理由は聞かないでくれ。思い出すだけでもうんざりするやつの話だ」

スルトに対し、期待が外れてがっかりしています。

 

ゲーム本編でf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainスルトの方に行けば良かったと分かっても、f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain弱点を聞き出す必要があると説得するまでは、通してもらえませんでした。

仲の悪さが伺えますね。

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仲が悪くなった原因はライの三角関係にまつわるトラブルにありました。

ヴェルの足の怪我となった問題です。

たくし上げたズボンの裾の下には、大きな傷があった。

何か剣で貫いたような跡だった。

ヴェル「ある困ったやつにやられてな。普通に歩いたり、お前さん達相手に言い合いするくらいなら支障は無いが、とても堕天使相手に戦うまではいかないさ」

 

足の傷はフスルトによって負わせられました。

(ライがフスルトに、勇者に選ばれなったことで逆恨みしているだろうと言って)

ライ「……ほう、そうじゃなければどうしてあんな事になるんだ? 今頃ヴェルもここに……」

(フスルトの怒鳴り声に反応してリトが近づくが、「何でもない」と言い追い返す)

ライ「まあ、他には知られたくないよな」

ヴェルの怪我は、フスルトのライに対する怨恨が引き金になっていたからです。

その経緯をライは知っており、リトには隠しているようでした。

剣で貫いた傷やf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain血の痕跡からバレてもおかしくない気がしますが……

問題が明るみになるようなことはなく、この件を知るのは関わった三人だけです。

 

しかし、勇者に選ばれなかった恨みが原因ならば、何故ライではなくヴェルが刺されたのでしょうか。

ヴェル「何故、答えない。お前まさかあの時みたいに……」

主人公「……あの時……?」

ヴェル「とぼけるなよ。なんのためにオレが……まさかお前本当に……」

主人公「ちょっと待て、話を聞いてくれ……」

ヴェル「またその癖か」

リト「ヴェル待って!」

ヴェル「何を言ってるんだ。我慢できないのはお前じゃないのか?

オレはお前の気持ちを代弁してこそ……」

 

当時の状況について判明していることをまとめます。

  1. その場に居たのはライ・ヴェル・フスルトの三名
  2. ヴェルがリトの気持ちを代弁
  3. ライは答えずにしらを切った
  4. 勇者に選ばれなかったことを根に持ったことでフスルトが刺そうとした
  5. ヴェルの足が刺された

1と2から、ヴェルとフスルトが二人の関係について言及したこと。

3と4から、ライは問いに答えず、フスルトの恨みに触れて話を逸らしたこと。

そして、ライを刺そうとしたフスルトが、ライを庇ったヴェルを刺してしまったことになります。

ヴェル「なんのためにオレが(刺されたと思って)……まさかお前本当に(リトに関係を強要したのか)……」

先ほどの発言も補ってみると意味が通りますね。

補足:トラブルの詳細な再現

まず最初に、フスルトがライとリトの愛人関係を知りました。

その件をライに問いただそうと考えます。

 

ヴェルとフスルトf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain二人同時に問いただそうとしたとは考えられません。

二人だけでの話し合いは危ないとフスルトが判断し、ヴェルを頼ったとするのが自然です。

 

ヴェルはミレイユ姫との婚約を知っていたので、フスルトの提案を承諾します。

二人はライに問題の真偽を聞きましたが、ライは何も知らないとしらばっくれました。

そしてライはフスルトに、「勇者に選ばれなかった腹いせで言っているんだ」と批判。

激昂したフスルトはライを剣で刺そうとしますが……

ライを庇ったヴェルが刺されました。

閉じる

 

しかし、何故ヴェルが庇ったのかが不明です。

庇った理由を説明します。

現在、世界は危機にさらされており、元凶の堕天使は双月の剣がないと倒せません。

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また、作中で勇者にしか装備できない武具があると書かれています。

主人公が竜のモチーフが彫られた防具を見て、自身が勇者であると知る場面で、ですね。

ならば、双月の剣を振るえるのも勇者だけである可能性が高いです。

堕天使が倒せるのは勇者だけになります。

それ故に、堕天使の討伐失敗を危惧して、ヴェルがライを庇ったのだと考えられます。

 

なお、本編ではミレイユ姫が双月の剣を抱えていました。

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この時、わざわざ天界の加護の力で離れないようにしていたのは、剣の柄を握れなかったからかもしれません。

剣を奪ってお金に換えた看護婦さんも抱えて運んだのかは不明ですが……。

 

 

まとめると、フスルトとヴェルがリトの愛人関係についてライに問い詰めた際、ライの指摘に激昂したフスルトが、ライを庇ったヴェルを刺してしまったという訳ですね。

 

f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain一度壊れた関係は、そう簡単に元に戻せません。

おそらくヴェルはライと同様に、フスルトがリトのことを想っているのを知らなかったのではないでしょうか。

それにより行動の真意が理解できず、「何を考えているか分からない奴」と言い漏らしていたのでしょう。

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ライはわざと知らないふりをしたり、逆鱗に触れると知っていてf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainスイッチを押してくるような性格の持ち主です。

勇者でなくても堕天使を倒せたのなら、ヴェルが庇うことはなかったと思っています。

 

 

繰り返される世界の作り方

堕天使リビリュートを倒したフスルトは水晶を使いました。

水晶の中に、フスルトの欲求を写し取った人格が形成され、その人格が天使の力を行使することで、間接的に望みが叶います。

水晶内の人格「ではわかるように説明してやろう。

おれはふたつの事を願った。

一つは彼女を治す事」

主人公「……何?」

人格「そしてもう一つは、この世界そのもの」

主人公「……何だって??」

(彼女を治す事=リトを治す事なら、治せるはずだろうと突っ込む)

人格「分かってないな」

人格「おれのもうひとつの願いは彼女を『こうした』上でこの世界をつくり上げる事だった、と言っているんだ」

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水晶はf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain二つ同時に願いを叶えています。

一つ目の願いは「彼女を治すこと」。

この「彼女」はリトの事ではありません。

一度目の堕天使討伐時、リトとミレイユ姫は負傷することもなく、生存しています。

言うまでもなく、リトが前向性健忘症を患う前であるため、病気の治療が目的でもありません。

 

看護婦さん、宿屋のおばさん、堕天使を祀る彼女や子供ら……は治す動機が存在しませんね。

※特に彼女は、リトの魔法で殺害されていますので。

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他の可能性を考えてみると……世界の再構成前に死亡したはずの人物が、一名だけ復活しています。

 

彼女とは堕天使リビリュートです。

過去の堕天使戦でも、フスルトの短剣に天界の加護がかかっています。

f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain剣であればどれでもいいとも言われていましたが、ANOSに突き刺すのを考慮するならばf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain短剣が適切です。)

過去編でf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainミレイユ姫に無理やり手伝わさせていましたね。

双月の剣と共鳴することで、水晶は本体から完全に分離。

リビリュートを倒すための手順は、しっかりと踏まれていました。

 

加えて、フスルトは失敗してもやり直せる世界を望んでいます。

……モウ一度ヤリ直セタナラバ……

……失敗シタト気付イタ時ニソレヲナカッタ事ニデキレバ……

水晶が使えるのは堕天使を殺した直後、水晶が生きている間に限られます。

そのため、水晶で世界を繰り返すには堕天使を復活させる必要があったのです。

 

また「彼女を治すこと」と言っている以上、リビリュートを女性として扱って良いのか、疑問が生じますが……。

作中では天使の性別に関して触れられてはいません。

しかし、私としては「天使は基本的に両性具有なので、女性としても支障がない」と考えています。

 

リビリュートを倒すにはf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plainミレイユ姫の加護が必要であり、加護をかけさせた描写がある以上、堕天使は一度死んでいるのは明白です。

よって、一つ目の願いは「堕天使リビリュートを治すこと」でした。

堕天使を生き返らせることで、水晶の再使用を可能にし、世界をやり直せるようにするためですね。

 

 

あいつの正体

二つ目の願いは「この世界そのもの」。

辻褄を合わせるために改変した部分を除くと、主人公の正体が核になっています。

 

リビリュート討伐時、フスルトとリトは近くにいました。

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向かって左側に剣を抱えたミレイユ姫。

右側には、腹部に怪我をしたライがいます。

 

世界が作り変えられ、リビリュートに飛ばされた後は……

※正確には、リビリュートは倒されているので、「遠くに飛ばされた」は記憶の改竄による捏造。

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リトとライが城塞都市スダード辺り。

ミレイユ姫と双月の剣はウェイスの町近くのオアシス。

スルトは遺跡周辺に居ました。

 

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上から見た三人の立ち位置と比較すると分かりやすいですね。

世界の改変前後で、ライとフスルトの場所が入れ替わっています。

 

また記憶喪失の主人公が怪我をしたフスルトらしき人物に会った時、

スルト?「おっとそうか。記憶がないんだったな。教えてやるよ。

……まったく、おれがあんたにものを教える時がくるとはな……以前にもあったか?

いや、逆の逆は真だと考えるならば、これは以前とまったく変わらないという事か」

(足元のANOSに似た石の話になって)

スルト?「この石がこの神殿に奉納されているのを、『あんたに』教えられて知っていたから(略)」

と発言していました。

 

腹部の怪我から考え、ライとフスルトが入れ替わったとするならば……

となります。

 

先ほどの発言も「まったく、おれ(ライ)がおまえ(知識の豊富なフスルト)にものを教える時がくるとはな」となる訳ですね。

足元の石の件も同様です。

  1. リビリュート戦の立ち位置と世界改変後の居場所
  2. 腹部の怪我がライからフスルトに変わった

これらにより『水晶を使ったことでフスルトとライが入れ替わった』と考えた人が多いのではないかと思います。

これは誤りです。

二人は入れ替わっていません。

 

先ほどのフスルト?の発言に関しても、それが嘘だったと示されています。

(過去を知った主人公が真相を知ったことを伝えて)

スルト?「うるさい! 黙れ!」

立ち上がる。

まるで今までの嘘を証明するかのように。

 

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では、このフスルトは誰なんでしょうか?

 

以前のフスルトはライを恨み、その立場を欲していました。

そのため「ライの姿をした主人公=記憶喪失のフスルト」は間違っていないはずです。

……コイツサエイナケレバ……

……モウ少シデ手ニ入ッタハズノ立場……

……モウ一度ヤリ直セタナラバ……

……失敗シタト気付イタ時ニソレヲナカッタ事ニデキレバ……

以前のフスルトはライに対して、「こいつさえ居なければ」とも思っています。

 

実は、主人公が「過去」を知った上でフスルト?に会った時、その正体をはっきりと告げていました。

主人公「そしてそれが全て、『誰か』が『仕組んだ』世界だと気付いた時、分かったんだ。

世界を繰り返していたのは間違いない。

だが、それを誘導していたのは、お前だったんだな。

いや、今となっては『お前』なんていう言い方すらもう間違っているのか。

なにせお前は……」

発言通りですね。

彼は水晶を使い、世界を変えた張本人。

あいつは「本来のフスルト」でした。

世界の改変は水晶の中の人格による間接的に行われたものだったため、彼は変わっていなかったのです。

いや、今となっては『お前』なんていう言い方すらもう間違っているのか。

なにせお前は(以前のおれだからな)

 

もちろん、主人公の見た目はライです。

ライの人格をフスルトの人格で上書きした存在だからですね。

なので願い通り、あの世界からライは抹消されていました!

補足:腹部にある怪我の移行

何故、腹部の怪我をライからフスルトに移ったのでしょうか?

それにはあえて治さなかった理由が存在します。

スルトは性格上、自身の行動を正当化していました。

主人公がリビリュートを崇める人たちに襲われた時、人を斬るために弁解しています。

何でここでおれは内外に向けて言い訳をしなければならないんだ?

それはつまり、おれはそういう口実を大切にしているという訳だ。

ANOS内の模擬人格も同じ性格ならば、自己弁護のため水晶を使う代償を求めたはずです。

二人を入れ替えるのではなく、そのままの自分を世界に残したのも、ライの怪我を移したことも、自身に罰を与えて正当化するためでした。

閉じる

 

タイトルの空白

最後にタイトルの空白について。

実は、ゲーム内でたった一度だけタイトルが回収されます。

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リビリュートを倒すための条件がすべて揃った状態で、f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain加護をかけた短剣を記憶管理にセットし忘れると、上記のタイトル回収ENDになります。

本文中の、タイトルの余白にあたる「……」は二文字分です。

※タイトルの余白も同じく「二文字」で統一されています。

 

Windows版のタイトルでは、空白部分の文字がかすれています。

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旧タイトルロゴのかすれている部分が、ひらがなの「うそ」のように見えます。

※旧タイトルロゴはf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain過去に発売された再装版より前のもの。

 

また、主人公の偽りの名前である「ライ」。

英語のLieは「嘘」を意味します。

「リト」と合わせて「リトライ」。

f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain何度失敗してもやり直せる世界を指していました。

 

「フスルト」の由来は、真実(Truth)を逆から読んだものです。

TRUTH(トゥルース)⇔HTURT(フスルト

スルトの名も「真実」の裏返し、「嘘」を指していました。

※余談ですが、その他の登場人物の名前について。

f:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain散歩しか娯楽がないとぼやいていたヴェルの本名はヴェルニカ・ヴェルニッケ。

前向性健忘を伴うヴェルニッケ・コルサレフ症候群から取ったもの。

リビリュートはリピート竜のもじりらしいです。

 

そして記憶をなくした主人公も、不本意ながら、嘘を吐いています。

「おれは、お前にをついていた……」

おれはライなんかじゃないんだ。ましてや勇者ですらない。

できそこないの……」

 

主人公の最期、リトから聞こえてきた言葉も「うそつき!!」でした。

そうだ、おれはうそつきだった。

だがそのおかげで最後にリトの笑顔を見る事ができた。

それだけは後悔しない嘘だと、おれは信じていた。

 

やはり、タイトルの空白は「うそ」ですね。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでもf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain残ったわだかまりが片付いたなら、幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの、素晴らしいうそをもう一度

……せっかくのお膳立てが台無しだ……。

残念だったな。

この記事には嘘が紛れているのさ。

クリアしていないプレイヤーさんが読まないようにな。

「攻略情報がない」と言い切ったが……それは大間違いだ。

 

考察に含まれる憶マークの付いた赤文字。

あれは最短ルートでクリアするのに必要なワードを順番に並べたものだ。

つまりゲームを攻略するには、マーク付きの赤文字に似たワードを、上から順に記憶管理にセットしていけばいい。

セットするワードは、文章内に紛らせるために少し形を変えてある。

分かりにくかったら、私の力不足だ。申し訳ない。

※筆者はWindows版のみのプレイのため、iOS版は未確認です。

 

……少々不安なので、補足しておく。

記憶管理にセットするのは、注意事項の直後にある「ANOS」からだ。

タップで開閉するパネルの中にも隠れているので注意してくれ。

 

それから、一か所だけ複数のワードが正解の場所がある。

話の内容などから、それだと分かるようになっているはずだ。

さすがに選択肢までカバーは出来なかったが……一度クリアしていれば平気だろう。

 

念のため、ルートだけ簡単に説明しておく。

「まず、記憶を伏せたまま街へ行け、ANOSを入手したら、最初に戻るだろう」

「そうしたら今度は、記憶の全てを伝えて街へ、双月の剣を入手できるはずだ」

「フスルトに合わなければならない理由も思い出しておけ」

 

「フスルト側へ向かったら、記憶は伏せて、一緒に遺跡をまわり、村へ」

「再度、記憶を伏せたら、二手に分かれろ、そうすればフスルトに会えるはずだ」

 

「今度は記憶を伝え、リトをフスルトに会わせろ」

「短剣に加護が必要と気付いたなら、全て伝えたうえで、ウェイスの街へ」

「そのまま竜を倒し、過去を思い出せ」

「あとは消化試合だ。自身の行ないを清算しに、人に会いに行けばいい」

ルート説明は以上だ。

 

作中には、ここに書き切れなかった細かいネタがまだ存在する。

過去編の最終プレイ日が、プレイ開始日の前日になっていたりな……。

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登場人物の心境を察した今だからこそ見えてくるものもあるだろう。

だから諸君には、周回プレイをオススメしたい。

 

さて、それでは繰り返しの世界の続きだ。

存分に楽しんでf:id:citrus_pepper13:20191229141817p:plain行ってくれたまえ。

 

 

注:本記事は2020年4月1日(エイプリルフール)に公開されたものです。

『あの、素晴らしい  をもう一度 ストーリー考察』  了。

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