星の欠片の物語、ひとかけら版 補足B:2つ目の目的とリスク分析(フォルダ5)

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『星の欠片の物語、ひとかけら版』の補足B。

『ストーリーについて考察する』で扱わなかった「人格を取り除くこと」について触れています。

フォルダの5番を読み解く、

この記事ではフォルダ5を扱っていきます。

とりあえず、内容を確認したい方のために全文を置いておきます。

※解説する際に引用しているので、フォルダの全文は読まなくても大丈夫です。

『代償と交換条件、』

一旦は分割されるとはいえ、再構成の過程でそれを捨て去ることが出来るのであれば、そこに身を差し出すのに十分な理由足り得る。

これは犠牲でもなければ生け贄でもなく、交換条件である。

 

無論分割された状態で自らを元に戻す事が叶わず、そのまま取り残される危険は否定しない。

当然ながら再統合された人格が前と同じである保証はない。

 

手順の過程で本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない。

リスクは掲示してある。

 

最低限の退出料は必要だが、踵を返す者を引き止める仕組みは用意していない。

これを構成する材料は人の行動後の残留物を混ぜ合わせた上での再利用。

 

統一感はいささか失われてしまうが、そうであるが故に訪れた者への試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。

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フォルダ5から内容が急に難解になります。

それは、いくつかの前提を知った上で話が進んでいることが原因です。

きっと、これを書いた当人は、人に伝わらずとも自身が理解できさえすれば問題がなかったのでしょう。

それゆえに内容が分かりにくくなっていました。

 

まずは、その前提を2つ紹介します。

  1. 星の核に欠片を戻すことで、侵食に必要な歪みを手に入れようとしていること。
  2. 星を砕くと人格が別れ、欠片を戻すと知識や記憶が戻り、人格が再統合されること。

1番はフォルダ1から判明した事柄です。

しかし、2番はフォルダ5だけでは読み取れません。

他のフォルダも参照しつつ、手掛かりを見つけていく必要があります。

 

なので、この2番を理解するところから始めましょう。

 

 

人格の分割と再統合、

人格が分割し再統合される現象が発生する、

人格に関して気になるところを抜き出してみます。

一旦は分割されるとはいえ(中略)再統合された人格が前と同じである保証はない。(フォルダ5)

気になるのは「再統合された人格」の部分。

 

再統合された人格が存在するということは、最初から人格が別れているとは考えにくいです。

元が一つであれば、分割されていなければなりません。

最初の「一旦は分割される」も、人格を分割していることを指していると思われます。

そう考えるとしっくり来ますね。

 

つまり、人格が別れる現象が起こると言えるでしょう。

 

次に考えるべきことは  

この現象がどのような条件で発生するのか、ですね。

 

 

人格が別れるには、

これに関しては他のフォルダにヒントがあります。

砕ける欠片の数だけ人格も別れるという仕様のまま、結果的に欠片は1つしか用意出来なかった。(フォルダ12)

フォルダ1にもあったように、1つの欠片と言えば「星の欠片」です。

「砕ける欠片の数だけ人格も別れる」の「砕ける」は「星が砕ける」と考えられます。

なので、星が砕けることで人格が分割されるということでしょう。

 

 

再統合するには、

人格を分割する方法は分かりました。

であれば、再統合についても考えないといけません。

 

それに関しては、ゲームの冒頭にヒントがあります。

「欠片が元に戻ってさえくれれば、それに合わせて知識と記憶も戻ってくると思うがな」

と少女Aが言っていました。

 

星の核に欠片を戻すことで、知識と記憶が戻ります。

知識や記憶は、個人を個人として成立させるために不可欠な要素です。

人格を構成するために必要なものと捉えることができるでしょう。

であるならば、知識や記憶が戻ると人格も再統合されると言えます

 

以上をまとめると、星を砕くと人格が別れ、欠片を戻すと知識などが戻り、人格が再統合されることになります。

  1. 星の核に欠片を戻すことで、侵食に必要な歪みを手に入れようとしていること。
  2. 星を砕くと人格が別れ、欠片を戻すと知識や記憶が戻り、人格が再統合されること。

これで、ようやく、最初に紹介した前提の2番を説明し終わりました。

次からフォルダ5の本編に入ります。

 

 

代償と交換条件、

捨て去りたい「人格」、

ここから『ストーリーについて考察する』で省略した「人格の削除」に関する内容です。

 

まず、最初の一文をご覧ください。

一旦は分割されるとはいえ、再構成の過程でそれを捨て去ることが出来るのであれば、そこに身を差し出すのに十分な理由足り得る。(フォルダ5)

前半にある「分割~再構成の過程」は、これまでに解説したように「人格を分割し、知識などを再構成する過程」を示したものです。

そして、その過程で「それ」を捨て去ることの出来ると書いてあります。

 

ここで出てくる「それ」とは何でしょうか?

後ろのほうに手掛かりがあります。

手順の過程で本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない。(フォルダ5)

手順の過程は、先ほどと同じく「人格を分割し、知識などを再構成する過程」のこと。

ならば、「人格が選出され、取り除かれる」と書いてあるとおり、その過程で捨て去ることが出来るのは人格です

 

 

ここで再度、文を見てみます。

一旦は分割されるとはいえ、再構成の過程でそれ(人格)を捨て去ることが出来るのであれば、そこ(星)に身を差し出すのに十分な理由足り得る。(フォルダ5)

※人格の分割は星が砕けることで起こるので、星に身を差し出すと解釈しています。

まるで人格を捨て去ることに価値があるような言い回しです。

それを踏まえた上で、あとの文章も読むと……

手順の過程で本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない。(フォルダ5)

本来の目的だった「捨て去りたい人格」が選ばれず、他の人格が取り除かれるのではないかと危惧しているように思えます。

 

つまり、フォルダの作者にはある人格を捨て去りたいという目的があったことが分かります。

 

 

リスクであり交換条件でもある、

だいぶ複雑になってきました。

フォルダ5は難解です、本当に。

 

まとめます。

  • 一番重要な目的:現実世界へ侵食すること。
  • そのための手段:星を砕き、欠片を戻すことで、侵食に必要な歪みを得ること。

この目的と手段はフォルダ1から判明しました。

 

  • 次に重要な目的:ある人格を捨て去ること。
  • そのための手段:星を砕き、欠片を戻すことで、人格が再統合される。

詳しくは、人格を分割した後に、知識や記憶を再構成することで人格を再統合し、その際にある人格を捨てることが目的ですね。

 

これが2つの目的と手段です。

まとめてみると、どちらも方法は星を砕いて欠片を戻すことですね。

しかし、これらには代償(リスク)が付き物。

言い換えれば、目的を果たすための交換条件ですね。

 

なので、そのリスクを整理してみましょう。

以下、2つのフォルダからの引用です。

無論分割された状態で自らを元に戻す事が叶わず、そのまま取り残される危険は否定しない。

当然ながら再統合された人格が前と同じである保証はない

手順の過程で本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない

(フォルダ5)

後はこの装置で目的を達するに足るだけの燃料が集まる事を祈るしかない。(フォルダ1)

一番最初の「自らを元に戻す事が叶わず、そのまま取り残される危険」は、星の欠片を戻せず、人格の再統合ができなかった時のリスクを表しています。

次の「再統合された人格が前と同じである保証はない」「本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない」は、そのままの意味です。

 

フォルダ1に書かれていたのは、星の欠片を使って集められる、侵食に必要な『歪み』が足りないかもしれない、という内容でした。

 

これらから、星を砕いて欠片を戻す上で発生するリスクをまとめると……

  1. 星の欠片を核に戻せずに終わる危険性
  2. 再統合された人格が以前と異なる可能性
  3. 目的と異なる人格を捨ててしまう危険性
  4. 歪みが不足し、侵食が出来ない可能性

このようになっています。

 

以上、フォルダ5の前半まとめでした。

リスクを特定することがメインでしたね。

ここでまとめたものが、後半を読み解くのに役立ちます。

 

 

リスクを分析していく、

それでは、フォルダ5の後半です!

 

後半は、フォルダ1と同じような方式で紹介します。

キーワードを抜き出し、意味を考えていくやり方です。

 

残るは文は3つ!

ひとつひとつ、順番に紐解きましょう。

 

 

意味不明なワードを確認してみよう、

残りの文章を確認してみましょう。

最低限の退出料は必要だが、踵を返す者を引き止める仕組みは用意していない。

これを構成する材料は人の行動後の残留物を混ぜ合わせた上での再利用。

統一感はいささか失われてしまうが、そうであるが故に訪れた者への試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。

(フォルダ5)

ここから気になるワードを抜き出し、意味を推測していきます。

最低限の退出料・踵を返す者・人の行動後の残留物・訪れた者。

この4つでしょうか。

 

 

プレイヤーを引き止めたい、

まず、1つ目です。

踵を返す者を引き止める仕組みは用意していない。(フォルダ5)

「踵を返す者」について考えていきます。

 

ゲームをプレイした方は分かると思いますが、少女Aはプレイヤーの協力なしに星の欠片を戻せませんでした。

 

これに関しては、フォルダ10で詳しく触れることになります。

結論から言えば、星の欠片を戻すのに誰かの助けが必要だったこと。

そして、その誰かとはプレイヤーであることがフォルダ10から分かります。

 

考えられる問題として、プレイヤーが欠片を戻すのを諦めることが挙げられます。

出来れば引き止めたいところです。

それを含めて考え、「踵を返す者」は欠片を戻すのを諦め、現実世界へと戻るプレイヤーであると推測しました。

 

文章をもう一度、読み返すと……

踵を返す者(プレイヤー)を引き止める仕組みは用意していない。(フォルダ5)

結果的に、プレイヤーを引き止める方法は用意することが出来なかった。

そのように意味がとれると思います。

 

 

歪みには他の利用方法がある、

次に2つ目、人の行動後の残留物について。

フォルダ5からの引用です。

これを構成する材料は人の行動後の残留物を混ぜ合わせた上での再利用。(フォルダ5)

「人の行動後の残留物」とは何でしょうか?

 

「人」を「プレイヤー」として、これを文字通りにとると、プレイヤーが行動したあとに得られる残留物になります。

ゲーム中では、プレイヤーは星の核に欠片を戻すために行動していました。

なので、残留物は欠片を戻して得られる『歪み』が相当すると推測されるのです。

 

これを踏まえて、文章の一部を置き換えます。

これを構成する材料は『歪み』を混ぜ合わせた上での再利用。(フォルダ5)

何かを構成するのに『歪み』が原料になっていることが分かりました。

しかし、このままでは「これ」が何なのか分かりません。

それを判断するために、次の「最低限の退出料」について考えていきましょう。

 

 

全てはリソースを確保するため、

3つ目、最低限の退出料です。

キーワードを含む文章を再び載せます。

最低限の退出料は必要だが、踵を返す者(プレイヤー)を引き止める仕組みは用意していない。

これを構成する材料は『歪み』を混ぜ合わせた上での再利用

(フォルダ5)

続けて読んでみると……

「最低限の退出料」

=「これを構成する材料」

=「歪みを混ぜ合わせ再利用したもの」

と受け取れますね。

ここで、再び『歪み』が重要になってきます。

 

『歪み』について深く掘り下げるために、話を少しさかのぼります。

フォルダ5の前半に関する内容についてです。

リスクについて、まとめたものを紹介したと思います。

  1. 星の欠片を核に戻せずに終わる危険性
  2. 再統合された人格が以前と異なる可能性
  3. 目的と異なる人格を捨ててしまう危険性
  4. 歪みが不足し、侵食が出来ない可能性

以上の4つのことですね。

この中で『歪み』が関係するものが無いか考えます。

1番は歪みが発生する前なので、歪みは関係しません。

2番と3番は人格に関することで、これも無関係です。

よって、関わりがあるのは4番だけですね。

 

4番について掘り下げます。

欠片を戻して集めた『歪み』が不足した場合、不足した『歪み』を補うには、欠片の数を増やすほかにありません。

残されたリソースでつくる事の出来る装置は、現時点でひとかけらが限界となる。(フォルダ1)

しかし、「残されたリソースではひとかけらが限界」と書いてありました。

欠片は1つしか用意出来ていません。

侵食するには、星の欠片のリソースを確保することが最重要です。

 

そのような意図があるとすれば……

「最低限の退出料」

=「これを構成する材料」

=「歪みを混ぜ合わせ再利用したもの」

=「星の欠片を作るためのリソース」

と推測できます。

 

「これを構成する材料」が「星の欠片を作るためのリソース」ならば、「これ」は「星の欠片」です。

文章を補います。

侵食に失敗した際、星の欠片のリソースを確保するためにも、最低限の退出料は必要だが、踵を返す者(プレイヤー)を引き止める仕組みは用意していない。

星の欠片を構成する材料は『歪み』を混ぜ合わせた上での再利用

(フォルダ5)

フォルダの前半の流れから、リスクを分析する内容になっており、文章の意味が通じたように思えます。

なので、これが正しいと判断しました。

 

 

可能性を高めるために存在する平行世界、

キーワードを3つ読み取ってきました。

最後のキーワードは「訪れた者」です。

統一感はいささか失われてしまうが、そうであるが故に訪れた者への試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。(フォルダ5)

この「訪れた者」は「踵を返す者」と同様で、異世界を覗き見るプレイヤーを指していると考えます。

統一感はいささか失われてしまうが、そうであるが故に訪れた者(プレイヤー)への試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。(フォルダ5)

置き換えてみましたが、意味がよく分かりません。

試行錯誤の幅あたりが重要そうです。

手掛かりを探してみましょう。

 

ヒントがありました。

終盤に出てくる少女の発言です。

「この様な接点のある世界は、『別の世界を覗き見る装置』を使った人の数だけ発生する」

プレイヤーの数だけ平行世界が存在します

 

それを踏まえて、前の文まで戻って考えます。

星の欠片を構成する材料は、欠片を戻して得られた『歪み』を混ぜ合わせた上での再利用したもの。

プレイヤーの数だけ平行世界があるので、統一感はいささか失われてしまうが、そうであるが故に訪れた者(プレイヤー)への試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。

(フォルダ5)

ここまで言えば、ほぼそのままです。

平行世界の存在により、得られた『歪み』の質が異なってしまうため、統一感は失ってしまいます。

しかし、様々な可能性を見出すことが出来るため、『歪み』を確実に得ることが可能です。

 

ちなみに、平行世界の存在により、フォルダ5の前半で扱ったリスクを軽減することも可能となっています。

  1. 星の欠片を核に戻せずに終わる危険性
  2. 再統合された人格が以前と異なる可能性
  3. 目的と異なる人格を捨ててしまう危険性
  4. 歪みが不足し、侵食が出来ない可能性

平行世界って万能ですね。

 

 

まとめ、

フォルダ5のまとめです。

人格の分割と再統合で、とある人格を削除するという新たな目的が判明しました。

フォルダ全体としては、計画を実行する上で発生する様々なリスクについてあれこれ考える内容でした。

結局は、リスクを軽減するために平行世界の存在を利用することに落ち着きましたね。

 

フォルダ1と同じく、文章を分かりやすく変更したフォルダ5を載せておきます。

『人格の分割と再統合における代償と交換条件、』

人格が一旦は分割されるとはいえ、知識や記憶を再構成する過程で、目的の人格を捨て去ることが出来るのであれば、(砕ける前の)星に身を差し出すのに十分な理由足り得る。

 

これは犠牲でもなければ生け贄でもなく、交換条件である。

 

無論、人格が分割された状態で自らを元に戻す(人格を再統合する)事が叶わず、そのまま星の核に取り残される危険は否定しない。

当然ながら、再統合された人格が前と同じである保証はない。

 

知識や記憶を再構成する過程で、本来の目的ではない人格が選出され、取り除かれる可能性も否定できない。

リスクは掲示してある。

 

侵食に失敗した際、星の欠片のリソースを確保するためにも、最低限の退出料は必要だが、こちらの世界を覗くのをやめようとするプレイヤー(踵を返す者)を、引き止める仕組みは用意していない。

 

星の欠片を構成する材料は、『歪み』を混ぜ合わせた上で再利用したもの。

プレイヤーの数だけ平行世界が存在するので、歪みの品質の統一感はいささか失われてしまうが、平行世界があるが故に、プレイヤーへの試行錯誤の幅を無数に用意する事も出来る。

(そうすれば最低限の退出料を確保できるだろう)

少女Oの研究レポートとして見た場合、計画を分析し、リスクを管理していることが伺えます。

また、このレポートでは、侵食に失敗したときに再チャレンジするためにリソースを確保するような意図で書かれていました。

『ストーリーについて考察する』を読んだ方になら分かると思いますが、実際にはそれ以外の意図が存在します。

フォルダ12で、歪みを集めるのに「ひとかけら」では足りないことが判明したことから分かりますね。

本作「星の欠片の物語、ひとかけら版』での目的となっていたのです!

 

ここまで読み取るのは困難を極めました。

丁寧に説明するため、記事として最長のものになってしまいましたが……

この難易度の高さなどが読者の方に伝わっていたら嬉しいですね。

 

 

以上、補足Bのフォルダ5編でした。

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