星の欠片の物語、ひとかけら版 ストーリーについて考察する

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『星の欠片の物語、ひとかけら版』の考察。

ストーリーについてまとめた記事です。

物語を考察する前に、

『星の欠片の物語、ひとかけら版』とは……

プレイヤーと少女が協力して謎を解き、星を元に戻すことで少女の力を取り戻し、脱出を目指すゲームです。

 

プレイ中は謎を解くことに夢中になってしまうでしょう。

そのため、しばしば脱出を目指していたことを忘れがちです。

ゲーム内で登場するフォルダの内容まで考える余裕なんてありません。

 

『全てはVRの為の設定とシナリオとゲームデザイン、』とありますが、クリアするごろには……

となっているでしょう。

 

この記事では、作中のヒントを引用しつつ、物語の全体像を明らかにしていきます。

 

いくつか注意点があります。

この考察はフォルダの内容を読み解き、それをまとめたものです。

当然、個人の考えなので、必ずしも正しいとは限りません。

1つの記事で完結させるために、少し急ぎ足で説明しているところがあります。

そのため、省いた部分に関しては、別に記事を用意しました。

それらを承知した上でお読みいただけると幸いです。

 

前置きが長くなりました。

それでは、本編をどうぞ。

 

 

フォルダの作者の目的は『侵食』、

最初に結論を示します!!

これはフォルダの作者が現実世界へ行くために、プレイヤーの力を借りる物語です。

 

フォルダの作者が何者なのか、それは後々に。

 

まず始めに、現実世界へ行くことが目的であることから説明します。

フォルダ1のタイトルに『侵食に必要な物は歪み、』とあるように目的は侵食です

 

その『侵食』が『現実世界へ行くこと』を意味するのですが、詳しく説明すると長くなってしまうので、ざっくりと説明します。

 

侵食とは、フォルダ1の後半に出てくる「一見存在しない様で強固に存在する壁を越えること」です。

このままでは意味不明ですね。

「壁」が何なのかが分からないと、侵食がどんなことなのか、いまいち理解できません。

それを考えるため、終盤に出てくる少女の発言を手掛かりとして示します。

「あなたが今居る場所と、あたしの居る場所は、違う世界だけれど、奇跡的に特異点が重なっているから互いを認識できている」

「それは、薄い板のような世界が2枚重なっている様な物よ」

平行した2つの世界が重なっているという発言から、下の図のようなイメージを思い浮かべました。

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2つの世界が接しているのであれば、間にあるものを「壁」に例えることができます。

これが「一見存在しない様で強固に存在する壁」の正体です。

それを超えることが侵食であるならば、プレイヤーのいる現実世界へ行くことが目的となります。

 

ざっくりとではありますが、計画の目的(侵食)について分かってもらえたでしょうか?

ちなみに、これはゲーム上で目指していた「星からの脱出」にもなっています

脱出先が現実世界とは……なかなか大胆ですね。

 

次は侵食する上で必要な物についてです!

 

 

侵食するには『歪み』が必要、

侵食に必要な物とは何か。

目的と同じく、これもフォルダ1のタイトルに答えが登場していました。

『侵食に必要な物は歪み、』です。

 

歪みとは何なのか、記述があるので引用します。

『侵食』の為に最も相性のいい燃料は『歪み』である。(フォルダ1)

歪みは侵食に必要な燃料のようです。

 

もう少し、歪みに関して見ていきましょう。

歪みとは、本来の場所に収めようとしても、どうしてもはみ出してしまうやっかいな部分の事を言う。(フォルダ1)

はみ出す部分といえば……作中で、よく見かけていたものがありました。

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装置からブロックがはみ出ています。

歪みとは「はみ出してしまう厄介な部分」なので、これが歪みであると考えられます。

 

さらに、フォルダ1の続きには「それが変換された時のエネルギーは大きい」と書いてありました。

つまり、歪み(はみ出た部分)はエネルギーに変換されます。

以降、この歪みが変換されたエネルギーを「歪みエネルギー」と呼びます。

 

実際に、装置にブロックを差し込むと、装置が動くようになりました。

そして、星の核と星の欠片を行き来できるようになります。

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これは、ブロックを差し込んで発生した歪みエネルギーを利用し、装置が使えるようになったからですね。

 

ついでに紹介しておくと、画像にある装置の名称は『星間移動装置』です。

フォルダ2『影と置き場所』に、その名が登場しています。

 

星間移動装置の動力源としては、ブロックからの供給で十分でした。

しかし、侵食ではもっと多くの歪みエネルギーが必要となるでしょう。

ブロックではなく、別の物を使っているはずです。

ここからは、侵食に必要な歪みを得るために何を用いたのか、探っていきます。

残されたリソースでつくる事の出来る装置は、現時点でひとかけらが限界となる。

後はこの装置で目的を達するに足るだけの燃料が集まる事を祈るしかない

一見存在しない様で強固に存在する壁を越える為の手段は、これしかないのだ。

(フォルダ1)

ここに出てくる「装置」は「ひとかけらしか作れないもの」です。

同じような記述は他にもありました。

欠片は1つしか用意出来なかった(フォルダ12)

このように、「装置」は星の欠片を表しているのでしょう。

 

少し前に書いたとおり、目的が侵食で、歪みが燃料です。

それも踏まえて、先ほどの文を置き換えると……

この星の欠片(装置)で侵食する(目的を達する)に足るだけの歪み(燃料)が集まる事を祈るしかない。(フォルダ1)

となります。

このように、侵食に必要な歪みは星の欠片を使って集めていることが分かりますね。

 

 

星を用いて歪みを集める方法、

では、歪みを集める具体的な方法について考えていきます。

 

一度、歪みの定義を見てみましょう。

歪みとは、本来の場所に収めようとしても、どうしてもはみ出してしまうやっかいな部分の事を言う。(フォルダ1)

原理は装置にブロックを差し込んだ時と同じです。

本来の場所(装置)にブロックを収めようとしても、はみ出してしまう部分。

それが歪みになります。

 

星の欠片がブロックに相当するならば、装置(本来の場所)にあたるものが存在します。

 

そもそも星の欠片とは、星の「欠片」と言うように、星を砕いて作ったものです。

欠片ではない、残った部分のことを「星の砕けた中心核」と少女が呼んでいました。

星の砕けた中心核、欠片が本来あった場所  「星の核」のことです。

ならば……

  • 「ブロック」⇒「星の欠片」
  • 「装置」⇒「星の核」

のように対応していると考えられます。

 

つまり、「星の核」に「星の欠片」を戻すことで歪みが発生します。

ブロックの時とは規模が違うので、その歪みエネルギーは非常に膨大なものとなるでしょう。

侵食に必要な歪みが手に入りそうですね。

 

図にまとめます。

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※少女の服装の違いは、特に意味はありません。

こうして発生した『歪み』を利用して『侵食』を行ないます。

 

 

『歪み』はそう簡単に集まらない、

『歪み』の集め方は分かりました。

これを自力で集めることが出来れば良かったのですが……問題が発生します。

砕ける欠片の数だけ人格も別れるという仕様のまま(フォルダ12)

星を砕いて作った星の欠片を切り離すと、人格が別れます。

 

また、欠片を戻したときにどうなるか、少女が言っていました。

「欠片が元に戻ってさえくれれば、それに合わせて知識と記憶も戻ってくると思うがな」

星の欠片を戻せば、知識や記憶が戻ってきます。

 

一度、まとめてみましょう。

図に追記していきます。

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星に連動して少女の状態も変化していることが伝わったでしょうか。

この人格が別れることが原因で、星の欠片を戻せなくなる問題が発生するのですが……

その前に、人格の分裂により少女が2人に増えた件について補足します

 

そもそも少女が2人も存在していたのかと疑問に感じられるかもしれません。

ですが、実はプレイヤーは2人に出会っています!

思い出してみてください。

  1. ゲーム開始から星の欠片を戻すまで一緒に行動した『のじゃ娘』
  2. 『のじゃ娘』が星の欠片に潰された後に出てきた『口調の異なる少女』

2人居ました。

ただし、見た目が同じなので、同一人物の可能性を疑ってしまうでしょう。

しかし、それについては『のじゃ娘』が潰されたことから、『口調の異なる少女』は別の身体であると分かるため、否定できます。

以上から、人格の分割により2人に分裂したと考えました。

※ちなみに少女Oは、少女A・Bと区別するために、分裂前のオリジナルという意味で少女Oとしています。

 

 

それでは、「人格が別れると星の欠片を戻せなくなる問題」に話を戻します。

人格が別れたことで少女がどうなるのか、関連した文章を引用しましょう。

分割の過程で、仕組みを動かして行動すべき人格に記憶と知識と知恵が殆ど残らない事が分かった。(フォルダ10)

この文章は、人格が別れた後の少女について言及しています。

 

プレイヤーと協力していた『のじゃ娘』も同じ事を言っていました。

「わしの知識と知恵も欠片の方に持って行かれてしまったんじゃ」

これは「記憶と知識と知恵が殆ど残らない」という記述と一致していますね。

フォルダの内容によれば、それは人格分割の過程で起こったことだそうです。

よって、『のじゃ娘』は人格の分割の影響によりポンコツになったことが分かります。

 

また、同じ文章から、仕組みを動かして行動すべき人格を持った人物が『のじゃ娘』であるとも読み取れます。

その「仕組みを動かして行動すべき」を「星の欠片を戻すべき」と解釈すると……

『のじゃ娘』は星の核に欠片を戻す役割を担っていると考えられるのです。

 

それから、図では星の核に残された少女をA、欠片側にいる少女をBとしていました。

プレイヤーが最初にいたのは星の核なので、そこで出会った『のじゃ娘』が、星の核に残された少女Aです。

消去法から、もう一方の少女Bが『口調の異なる少女』であることになります。

 

 

 

これまでに判明した事実から、人格が別れると星の欠片を戻せなくなる問題の原因が分かります。

まとめてみましょう。

 

星が砕け、人格が別れた後、星の核に残った少女A(のじゃ娘)。

彼女は星の核に欠片を戻す使命を持っていました。

しかし、人格の分割の影響で、彼女には知識も知恵もありません。

完全にアホの娘です。

フォルダ10にも「このままでは、自らの行動によって欠片を元に戻す行動を取る事が出来なくなってしまう」と書いてありました。

このままでは星の核に欠片を戻せません。

『歪み』を集めることが出来なくなります。

この問題を解決するには、誰かの助けが必要です。

 

 

フォルダの作者の正体、

ここで、1つ補足です。

フォルダの作者の正体について、簡単に説明します

各フォルダを読み解くと、フォルダの作者自身が体を張って計画を推し進めようとしていることが分かります。

 

どういうことなのか説明すると……

星の欠片を作り、歪みを集めようとしているのは、フォルダの作者自身なのです。

つまり、少女AとBに別れる前の存在  少女Oこそがフォルダの作者

彼女が計画の首謀者だったんですね。

 

 

誰かの助けが必要、

星の核に欠片を戻すために、少女Aには助けがいります。

当然、少女Aのいる世界の誰かでも良いはずですが……

助けを得られない理由があります。

誰かから助けを借りようにも、世界の果てに置かれ、砕けると同時にその存在が秘匿される以上、それは期待出来ない。(フォルダ10)

星が砕けると、世界の果てにいる自分の居場所を伝えることが出来なくなってしまうからですね。

 

これにより少女Oは、自身のいる世界の誰かに助けを求めることが難しいと判断!!

次に彼女はどうすべきか考えます。

「こっちの世界が駄目なら、あっちにすればいいじゃない」

 

 

プレイヤーさんの出番です、

向こうの世界(異世界)では助けを呼べません。

なので、こっちの世界(現実世界)にいるプレイヤーに助けを呼びかけたいのですが……

そのためにはコミュニケーションが取れないと話になりません。

異世界を覗き込む装置が必要です。

 

これに関しては、ほとんど書いてあります。

その為、『別の世界を覗き込む事が出来る装置』の仕組みをつくる事にした。

無論侵食さえ出来ていない向こう側にそれを直接送ることは出来ないが、このような仕組みがある事を知らせる事は出来る。

それが可能である事が分かっているのなら、必ずそれをつくって広める者が現れる。

使った者の座標軸がこの特異点と重なってさえくれさえすれば、ここに繋げる事が出来る筈だ。

(フォルダ10)

ざっくり言ってしまえば……

彼女が「異世界を覗き込む仕組みがあるよ」と発信し、受信した現実世界の誰かが『異世界を覗き込む事が出来る装置』を作ったということ。

そして、この装置(VRヘッドセット)を使って覗き込んだのがプレイヤーとなります。

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やっと、ゲームの開始地点にストーリーの考察が追いつきましたね。

プレイヤーが星の核へと導かれた経緯が分かったと思います。

 

それでは、これまでの考察をまとめつつ、ストーリーを振り返りましょう。

 

少女Oは現実世界へ行く(侵食する)ため、歪みを集めたいと考えました。

しかし、それには現実世界にいる者の協力が必要です。

そのために、『別の世界を覗き込む事が出来る装置』を現実世界にいる誰かに開発させました。

 

少女Oは星を砕き、星の核に残された少女A(のじゃ娘)と星の欠片側にいる少女B(口調の異なる少女)に別れます。

そして  プレイヤーである『あなた』が装置を使い、少女Aに出会いました。

2人で協力することにより、星の核に欠片を戻します。

その直後、知識や記憶の戻った少女Aは星の欠片に潰されてしまいましたが……。

最後に少女Bから、この異世界を広めるよう託されます。

 

……あれ? 当初の目的である『侵食』が出来ていませんね。

『侵食』に必要な『歪み』を集めるのに協力させるため、プレイヤーを召喚したはずですが……。

 

 

そうなんです。 これはひとかけら版です。

1つの欠片では『歪み』が足りない。

もし、それが分かっていたならば……

本作でプレイヤーが協力したことに意味はあったのでしょうか?

 

 

プレイヤー不要疑惑、ひとかけら版、

星の欠片が1つだと『歪み』が足りなかったと彼女が知っていたか否か。

それが重要です。

 

手掛かりはフォルダにありました。

この世界とあの世界で仕組みの存在を周知した段階で、致命的な問題が発覚した。

仕組みで取り出せる歪みの薄さである。

歪んでいて一見立体的に見えていたが故の誤計算。

侵食に必要な燃料として質量が足りない上、薄さ故に保存する為の枠組みから逃げ出してしまう。

(フォルダ12)

「侵食に必要な燃料として質量が足りない」と、はっきり書かれています。

彼女は『歪み』が足りないことを知っていました。

そのため、本作では『侵食』するためにプレイヤーを呼び出したとは考えられません。

そうであるのなら、何か他の理由があるのでしょうか?

 

 

本作でのプレイヤーの必要性について話す前に、1つだけ補足させてください。

『歪み』の集め方について触れた際に引用した文章です。

後はこの装置で目的を達するに足るだけの燃料が集まる事を祈るしかない(フォルダ1)

フォルダ1で「(歪みが)集まる事を祈る」だったものが、フォルダ12では「(歪みの)質量が足りない」となっています。

ここから分かるように、フォルダは書かれた順に番号を付けられているのです。

時間が経過している点に気が付くと、内容も読み取りやすくなりますね。

 

 

プレイヤーの必要性、ひとかけら版、

話をプレイヤーの役割に戻しましょう。

これまでは「侵食に必要な歪みを集めるために、プレイヤーの協力が必要である」と考えてきました。

ですが、ひとかけら版では、それを当てはめることは出来ません。

 

ただ、これまでの話と、作中で実際に行なったことを考えると、プレイヤーは歪みを集めるために協力していたとしか思えません。

ならば、『侵食』で必要になったのではなく、別の何かで歪みが必要になったと考えるべきです。

 

手掛かりは、やはりフォルダにありました。

これを構成する材料は人の行動後の残留物を混ぜ合わせた上での再利用。(フォルダ5)

これでは、何を言っているのか分かりませんね。

最初の「これ」は星の欠片を指しています。

後ろにある「人の行動後の残留物」はプレイヤーが行動した後に得られる物  『歪み』のことです。

 

置き換えると「星の欠片を構成する材料は歪みを混ぜ合わせた上での再利用」となります。

つまり、星の欠片は歪みが原料です。

 

これで理由が分かったと思います。

侵食で必要になった訳ではなく、星の欠片を作るために歪みが必要となった。

『星の欠片の物語、ひとかけら版』は星の欠片の材料を確保するための物語だったんです。

そのためにプレイヤーは協力していたのですね。

 

 

まとめ、

最初に書いたとおり、『星の欠片の物語』はフォルダの作者が現実世界へ行くために、プレイヤーの力を借りる物語です。

 

現実世界へ行く  『侵食』するために、『歪み』を集めることが少女Oの目的でした。

『歪み』は星の核に欠片を戻すことで得られます。

しかし、少女自身ではそれが不可能なため、現実世界にいるプレイヤーの助けが必須となりました。

 

プレイヤーに協力してもらう準備が整ったところで、問題が発生します。

星の欠片が『ひとかけら』では、侵食に必要な歪みが十分に集まらないことが分かったのです。

そのため『ひとかけら版』では、星の欠片を多く作るためのリソースとして、歪みを確保することが目的になっていました。

以上が、物語の全貌ですね。

 

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

続編(完結編?)では侵食する場面が描かれることになります。

なので、おまけの記事として、侵食の具体的な方法について書いてみました。

今後の展開を予想する内容のため、読む場合は注意してください。

 

また、今回の記事では分かりやすく説明するために一部を省いていました。

考察の詳細を知りたくなった方がいるかもしれません。

そのため、補足の記事をフォルダごとに用意しました。

(12のフォルダから4つに絞った理由は、フォルダ1の冒頭で説明しています)

 

以下、今回の記事で省いた部分です。

  • 侵食が目的であることの明確な根拠(フォルダ1)
  • ある人格を取り除くという目的(フォルダ5)
  • フォルダの作者が少女Oとする具体的な解説(フォルダ10)
  • 謎のワード『因果』について(フォルダ12)
  • 『歪みエネルギー』の正体(フォルダ12の後半)

補足を全て読むのは長いので、もし時間があるのなら、フォルダ12の後半部分だけ読むことをオススメします。

オススメする理由は……読めば分かります。